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恐るべきデビュー作、『永遠のゼロ』について
皆さんこんちは。
久しぶりに小説を満喫したヨシコシです。

最近、読書の良さを忘れかけており、
お世話になっている編集者の佐藤さんより
『永遠のゼロ』を頂戴し、久しぶりに読み耽りました。

大変、いい物語でした。映画化もするのだそうですね。
(時事に疎くてすいません・・)

この物語、
日本で映画化するより海外で映画化した方が価値がある気がします。


物語は、
ジャーナリストの卵である姉と司法浪人の弟が
零戦のパイロットだった亡祖父・宮部の人物像を探るため
戦争の生き証人達からの祖父にまつわる証言を取材していくお話。
人の生き様や尊厳とは何かを若者が見つめ直していく物語でした。

当時、
継続飛行距離、スピード、旋回半径から
世界最高峰の運動能力を誇った格闘機「零戦」は、
極限まで軽量化していたため、
防御面の性能はほとんど考慮されていない戦闘機でした。

日本は戦争当初こそ、
この零戦と優秀なパイロットによって、
破竹の快進撃を続けて行きます。

欧米では軍人を人的財産とし、自国兵隊の生命を重んじることから、
戦闘機は、防弾鋼板などを装備させることを重んじておりました。

英米軍は、当時最強の零戦との格闘戦を避け、
戦闘機の数、レーダー、無線技術、新型機の投入によって、
徐々に形勢を挽回していきます。


日本は追い詰められた弱いギャンブラーのようだった。
そう懐古するある証言者がおりました。
負けこんで資金がなくなってくると、
全財産を投げ打って最後は無一文になる博打。
当時の日本の軍部の判断に擬えたものです。

一般青年を招集し、操縦技術が未熟なまま
特攻隊員にしたて、一線級のパイロットでも
決して辿りつけないような敵艦へ特攻させていきます。
人間魚雷、神風特攻、人間ロケット弾・・・
資源や生産ラインの疲弊により、
品質すら劣りはじめた兵器に人を積んで自爆を命じはじめたのです。
特攻する前から、敵に決定的ダメージを与えることはできない。
それがわかっていながら、多くの青年達は命令にしたがい
空や海に散っていきました。
特攻を心から志願する人は実はあまりいなかったとの
記述に胸が締めつけられました。

日本の軍部と新聞マスコミは
「お国の為なら喜んで」という人命軽視のキャンペーンを形成し、
まるで幻覚を見させるように国民を総力戦に挑ませます。

当時の日本では、家族の為に生きて帰りたいなど
口にすれば、当然ながら部隊では白眼視され、
上官には殴られることでしょう。
愛する家族のため、妻のため、両親や友人のため
そう考えるのは普通ですが、それを許さない空気を形成し、
日本軍は、十死零生の戦いに若い命を送り込み続けました。
今の北朝鮮とよく似た現象です。
神風特攻は決して一般市民への無差別テロをするイスラム原理主義者
と一緒にするものではない。
一体あの時代の選択できない状況下、どんな気持ちで
死んでいったかわかるのか。
原理主義のテロリストと一くくりにすることは断じて許さん。
そう激昂する証言者の一幕もありました。


宮部は、軍人でありながら
公然と自分は日本のためでなく、帰還を約束した妻の元へ生きて帰るために
必ず勝ち抜くのだと周囲へ表明する人でした。
彼は零戦の戦闘で、自分が生きて帰還することを第一に考え行動します。
常にキョロキョロ見渡して背面飛行も頻繁に行う宮部、
この行為を、同僚部下からは臆病者と見なしてました。

彼は、当時の日本には珍しく、
戦争における人的損失が、軍事機器の損害よりも甚大であることを
よく理解していたのです。

それを象徴したシーンがあります。
彼が撃墜した敵機からパラシュートで落下する米兵を
彼は撃ち殺したのです。
その瞬間を目の当たりにした同僚は、
「お前には武士の情けはないのか」と詰め寄ります。
彼は、応えました。
英米では、日本と違い、新型戦闘機が大量生産されている。それを操る操縦士の絶対数を
少なくすることが、日本を勝利に導くのだ。
あの時にパイロットを殺めなければ、あのパイロットはまた戦線に復活し、
再び我々の前に新型機を率いて姿を現すだろう。
英米に勝つというのは、戦闘機を撃墜させる数が大事なのではない。
操縦できる人間をいかに戦場から消していくかなのだ。
我々が生き残るにはそうするしかないのだ
と言いきったのです。

散り際の美しさや武士の情けといった日本の武士道的価値感ではなく、
近代戦争の原理と家族愛を行動原理としていたのがよくわかります。

百戦練磨で様々な戦場を生き抜いてきた宮部も、
終戦の直前に、ついに技術の未熟な青年達同様に特攻隊に任命されてしまいます。
敵機の撃墜に撃墜を重ねてきたベテラン・パイロットにまで、
十死零生の特攻隊に任命する。
日本はそこまで米軍に追い詰められていたのでした。

彼は当然にして操縦技術の未熟な青年達が途中で敵弾に力尽きてしまう中、
唯一、単独で敵艦に牙を剝きます。
しかしながら、米軍の強烈な迎撃に、
零戦の機体は蜂の巣のごとく射抜かれました。
彼は燃え上がる零戦を、渾身の力で敵艦真上高く旋回上昇させ、
そしてそこから一気に
機体を垂直落下、敵艦の鋼板へ特攻しました。

彼は、敵艦に辿り着くまで、
何百キロもレーダーにかからない海面すれすれを飛び、
一気に上昇して猛然と襲いかかったのでした。

その並外れた操縦技術と人間離れした精神力を
目の当たりにした敵艦の上官は、
同じ軍人としてこの無名の日本人に脅威と敬意を抱きます。
焼けただれて上半身だけになった宮部の遺体。

弔銃が鳴り響く中、白い布に包まれて
艦長以下、士官達の挙手に見守られ海に葬られたのです。

これが宮部の最後でした。

先を見据えた価値感に基づいて
信念を曲げずにあの時代を生き抜くことがいかに凄まじいことだったか。
亡き祖父の生前の生き様を知り、
姉と弟はそれぞれのもつ悩みを見つめ直し、
自分達の明日に向けて、新たな舵を切ったのです。



これがデビュー作とは、何とも恐しい作家です。
そんな、百田尚樹さんの『永遠の0』は
2006年の作品だそうで、私は恥しながら知りませんでした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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[2013/10/19 21:54] | 徒然なエッセイ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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